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築50年の空き家を賃貸活用 リフォームは無駄……かも
空き家
解体
現在、存在している空き家を賃貸で活用するためにリフォームやリノベーションを検討している方々もいらっしゃることでしょう。
賃貸で人に貸出をすれば、空き家を管理する手間から開放され、かつ、安定収入を見込めむことができます。
ただし、老朽化した空き家であれば地震のことも心配ですし、リフォームと同時に耐震補強をする方々も少なくありません。
目次
その空き家は、耐震基準を満たしている?
その空き家は、耐震基準を満たしているでしょうか。
もしも耐震基準を満たしていない賃貸物件が被災してしまって入居者の方々であったり、近隣住民の方々に被害を及ぼしてしまえば、賃貸物件のオーナーであるあなたが損害賠償の責任を負わなければならないケースも出てきます。
賃貸物件であったとしても地震の不安からは逃れることができないのです。
1981年(昭和56年)5月31日以前に着工した空き家であれば、新耐震基準では建てられていません……。
そうでなくても老朽化が著しく心配であれば、まずは耐震診断を行うといいでしょう。
また、賃貸の空き家でも修繕の義務があります。日ごろから必要となる修繕を行うこと、また、地震で被災した空き家が損壊した場合修繕をしなければなりません。
民法第696条では、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」とあるので、それに従う必要があります。
この修繕の義務を無視して、入居者の方々が被災してしまったり、お部屋の家具が損壊した場合、これも大家の責任となることがあります。
空き家をリフォーム+耐震補強
一般財団法人国土技術研究センターの資料によれば、2011年~2020年に世界で起きたマグニチュード6.0以上の地震の中で、日本周辺で起きた割合は17.9%に達し、世界の中で最多の数値です。
日本の陸域には、おおよそ2,000もの活断層が存在すると推定されているので、実際問題、いつどこで大地震が起きても全然不思議ではありません。
総務省消防庁の資料では、最大震度7の規模の東日本大震災の被害を受けた建物の多数は、旧耐震基準での建物だと報告されています。
空き家をリフォームしようと考えるとき、同時に耐震補強を行えば、コストを削減することができたり、二度手間を回避することができます。
たとえば、お風呂を改修しようと思えば、同時に浴室あたりの壁を耐力壁にします。
単に浴室を改修することだけではなく、壁を補強、耐力壁にすればお家全体の耐震性能をアップさせることができます。
また、トイレを広げたり、床や壁を補修する場合に壁を耐力壁にします。
また、玄関に入ってすぐの場所に目隠しを兼ねた耐力壁を設置したり、それぞれお部屋の境界部に耐力壁を設置すれば、暮らしの安心は確保されることでしょう。
建物の現在の状態を確認できる
耐震補強を行うときには、必ず空き家の状態であったり、地盤の問題などの耐震性の評価が行われます。
このときには床下や天井裏などと言った場所の状態確認もされるため、空き家が抱えているリスクを把握することができます。
地震だけの問題ではなく、シロアリの被害に遭っていたり、腐敗し柱や梁の強度が失われているかもしれません。
空き家の状態を専門家にチェックしてもらい、評価してもらえば気持ちもすっきりすることでしょう。
築50年の空き家でもリフォームを行うことで寿命を延ばすことが可能
築50年の空き家物件でもリフォームをしっかり行うことで寿命を大幅に延ばすことが可能です。
築年数が長いからといって、限界かな……と早々あきらめることもありません。
現在空き家の状態にマッチしたリフォームを行うことで住空間は新しい命が吹き込まれ、プラスして数十年、安心して過ごせる空間へと生まれ変わります。
築50年の空き家であれば、屋根や、外壁の劣化も進行していることは多く、雨漏りであったり、断熱機能の低下も問題としてクローズアップします。
また、水回り設備であったり、配管も老朽化が進行し、漏水、詰まり問題などのトラブルが起こることもあります。
さらに、基礎や柱など構造部も経年劣化が起きている可能性があります。
そして、耐震性能について言えば、ほぼ現行の建築基準法に適合していません……。
ただし、このような数々の課題も適切なリフォームによっては解決することができます。
築50年の空き家であったとしても劣化した部分をしっかりと改善することができれば、さらにあと20〜30年は住むことが可能でしょう。
水回りも一新すれば、使い勝手が向上し、トラブルのリスクからも大幅に回避されるでしょう。
耐震補強も行うことで、安全性を確保でき、安心して暮らせる住まいに生まれ変わります。
築50年の空き家のリフォームは無駄という見解
一方では、築50年の空き家のリフォームは無駄……という意見もあるためこちらも確認しておきましょう。
追加工事で予算はオーバー
築50年の空き家であれば、建材や設備の劣化がそうとう進行しているため、リフォーム・リノベーション中に追加の工事が次々と発生して、気づけば予算オーバーするリスクがあります。
例えば、
- 風呂場の土台の腐食
- シロアリ被害
- 配管の老朽化
- 壁裏・床下に断熱材が入っていない
それ以外も築年数が経過すれば、より劣化・性能不足での追加工事が発生するリスクが高くなります。
また、着工するまでわからなかったトラブルも出てきてしまうでしょう。
次々と追加工事が発生しても、もう途中で止めることもできないため、結果、そうとう予算オーバーになってしまいます。
なかなか完成形をイメージしづらい
築50年の空き家であれば、間取りも大幅にリノベすることが多いので、なかなか完成形をイメージできない難しさがあります。
そもそも50年前の間取りでは、ほぼ現在のライフスタイルにはマッチしないので、大々的にリノベーションの必要が出てきます。
しかし、そうなれば完成した後のデザインや使い勝手に想定外のことが起きてしまうことが多々あります。
断熱性が低くて不満
築50年の空き家は断熱性が低いケースも多くあり、見た目だけリフォームしても快適性や省エネ性に不満を抱えることも少なくありません。
こちらも目視できない場所であるため、見逃せば完成後に後悔してしまうでしょう。
築50年の空き家は耐震補強で本当に安心できる?
築50年の老朽化している空き家に、耐震補強を行って、本当に100%地震の不安から解消されるのでしょうか。
そもそも、新耐震基準で建てられたお家だって、いつも地震の不安はつきまとっているのです。
築50年のお家であれば、その思いはそれ以上でしょう。
築50年の空き家を耐震補強をしたとしても、それはひょっとしたら気休めであるのかもしれません……。
「築50年の空き家」、それは、まさに解体工事を行い、新しく立て直すいい機会であるのかもしれません。
空き家を解体して、次の新しい未来について考えてみてはいかがでしょうか。
また、建て替え以外にも、解体工事を行えば、駐車場など様々な用途を見つけることができます。
まとめ
築50年の空き家、その使い道として賃貸も考えることができます。
ただし、その前にリフォームやリノベーションが必要になってきます。
耐震補強の問題もありますし、老朽化したものを改修しなければなりません。それは、なかなか大変なことであり、実現したとしても、予算オーバーになったり、不安が解消されないことがあります。
築50年の空き家をどうにかしようと考えている今だからこそ、解体することも検討するときではないでしょうか。
解体アスベスト相談窓口は、空き家問題に対しての適切なアドバイスを行うとともに、解体工事について気軽に相談することができる問い合わせフォームです。ぜひ一度問い合わせください。
リフォーム、リノベーションの問題は、解体・建て替えも含めご検討ください。