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法律が改正されても空き家がなかなか減らない 解体は適切な選択肢か?
空き家
解体
危険な空き家をまだまだ目撃する機会ってとても多いのではないでしょうか。
放置される空き家については、2014(平成26)年の空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特措法)によって、行政代執行での解体が可能となりました。
しかし、実は以降も空き家の数は増加し続けているのです。
さらに、空き家の解体を促進することであったり、周囲に対して悪影響を及ぼすことになる以前に有効活用されること、空き家の適切な管理をより強化するために、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正し、既に令和5年12月13日に施行されています。
目次
空き家は増え続けている?求められる更なる法律の整備

平成30年度における調査では、使用目的が存在しない空き家の数は349万戸と報告されているのですが、349万戸という数は過去20年間でおおよそ2倍にまで増えてしまっているのです。
このような悪化した状況を考慮した結果、改正する法律が施行されました。
通常であれば、住宅の敷地に対しては特例が適用されることになり、土地の固定資産税は軽減(住宅用地特例)されています。
いままでは危険な空家=「特定空家」と指定された空き家が、住宅用地特例の解除によって固定資産税の増額となっていたのですが。
しかし、今回の改正された法律では、特定空家になる危険が存在している空き家=「管理不全空家」も含まれ、管理不全空き家として指定されても住宅用地特例が取り消されてしまうことになりました。
住宅用地特例が取り消されてしまえば、土地に対してかかる固定資産税がおおよそ6倍に増えてしまいます……。そのような措置によって空き家は解消される方向に向かうはずであるのです。
空き家を解体しないほうが税的に得というのは本当?
空き家だとしても固定資産税であったり、都市計画税を払う必要はあるのですが、ある程度管理できている空き家であれば、空き家だとしても特例は受けることができます。
しかし、ここで解体工事をして更地化してしまえば、特例は受けることができなくなります。
空き家であったとしても「特定空き家」に指定されていなければ、固定資産税等の住宅用地特例は適用されることとなり、軽減措置を受けることができます。
固定資産税は「建物」と「土地」、それぞれに課税されるものです。更地にすれば建物の固定資産税はなくなるのですが、一方で固定資産税の額は増えてしまいます。
固定資産税等の住宅用地特例は適用されなくなってしまうことで、土地にかかる税金の特例率が消滅し、結果、固定資産税の額は増えてしまうのです。
空き家を維持する方々が依然として多いのは、この税金の問題が大きく関わっているとも言えます。人が住んでいないとしても、空き家自体を残存させたままの方が税金的にはメリットが大きいからです。
「特定空き家」に指定されれば減税の特例が適応されない
日本の人口が減ったことなどが原因で空き家自体が増え、さらに、空き家をしっかり管理できない事例が増えたことが空き家の増えた原因です。
さらに固定資産税が増額されることを避けるため、多くの人たちが空き家を維持することを選択しているのです。
ただし、そうはいうものの空き家を安全に管理・維持するためには相当の手間も費用もかかります。
そこで誕生したのが、「空き家法」なのですが。空き家法で、管理が行き届いていないと判断された空き家は「特定空き家」に指定され、翌年からは固定資産税等の住宅用地特例の対象から外されることになります。
また、2023年には「管理不全空き家」という区分が設けられ、管理不全空き家に指定され、状況が改善されていない場合、特定空き家と同様にして特例を受けることができなくなります。
固定資産税だけに注目すれば、特例率1/6が適応されなくなり、6倍税額が増えることになります。
特定空き家や管理不全空き家にならないためにすべきこと
それでは、特定空き家や管理不全空き家にならないためにすべきことについて考えてみましょう。
空き家のまま維持する
現在住んでいる家から遠方にある空き家でも、そのまま維持したい場合には自身でしっかり管理することです。
しかし、手間や費用の負担も大きいですし、交通費も含めて計算すれば遠方の空き家であれば現実的でないこともあるでしょう。管理業者に任せる場合でも、費用を比較することは大事です。
親戚や知人に管理をお願いする方法もあります。ただし、そのような場合でも長期的になる場合、管理にかかる費用であったり、お礼などについて具体的に考える必要が出てきます。
さらに言えば、そのような方々は家の管理に対しての正しい知識があるというわけではありませんので、完全にお任せというわけにもいかないでしょう。どの点をどのような感じで管理してほしいか、要望の詳細はしっかり伝えておく必要があります。
空き家を管理をお願いしたことでトラブルが発生すれば、その責任は空き家の所有者にあることもあらかじめ理解しておく必要があります。
親戚や、知人に管理をお願いするにはいろいろな気遣いや手間がかかります。そのようなことを回避したいと思えば、専門管理業者に依頼すればいいでしょう。費用はやや高めになるのかもしれませんが、プロフェッショナルの空き家管理業者に任せることで安心感を得られるでしょう。
そのような業者であれば、所有者の方々のリクエストを聞いてくれるだけでなく、プロの目線から適切な管理の提案もしてくれます。
空き家のままにしない方法
空き家を売る、または賃貸物件として貸し出す方法も考えることができます。
また、空き家を解体して更地にすることも方法です。しかし。既にお話ししていることですが、空き家を解体し更地化するだけでは、固定資産税が増えてしまうので、その負担を補うだけのアイデアが必要です。また、解体するには費用も必要となります。
エリアによってということになりますが、更地にしたほうが売却しやすいというケースはあるため、専門家などにいろいろと相談してから決めるといいでしょう。
空き家を解体工事をして更地化したって、できた空き地に草や木の枝が伸び放題で、境界を越えてお隣にまで侵入してしまうこともあります。また、草木が生い茂れば、虫が大量発生することも避けることができません。
それ以外にも、不法投棄されたゴミが悪臭の原因になったり、景観の悪化も懸念材料です。クレームを受ければ、スピーディーに対応しないと近隣関係の悪化にも即、つながってしまうでしょう。
まとめ
特定空き家に指定されないために、「であれば即お家を解体しよう……」ということにはなかなかならないようです。税金という問題も大きく立ちはだかります。
適当に管理をして、うまくやり過ごそうと考える方々も多いのではないでしょうか。しかし、そこにも限界はあるのかもしれません。
今後、空き家をどうすればいいかは、専門的知識を含めての計画性が必要です。
わからないことがあれば、一度解体アスベスト相談窓口にご相談ください。
解体アスベスト相談窓口は、空き家問題に対しての適切なアドバイスを行うとともに、解体工事について気軽に相談することができる問い合わせフォームです。