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その空き家は解体することができない? 相続登記の負のループ

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ただ空き家を解体したいだけなのに、相続だとか、名義変更だとかいろいろと法律的な用語も登場して、一気にモチベーションが下がったという方々もいるのかもしれません。

なんとなくであればわかるのかもしれませんが……。それでもなかなか普段使用しない言葉は、難しいのは事実ですよね。

空き家の相続登記 名義変更とは

相続登記とは、相続しなければならない事態が起きたとき、法務局で相続人の名義に土地や不動産を登録する手続きのことを言います。

この登記を行うことで、法的上相続人がその財産の所有者となることができます。

また、不動産登記は、土地であったり建物の所有権などを公示するための制度です。

この情報は誰でも法務局で閲覧することができ、不動産取引の際の参考資料として活用されます。

不動産の名義変更とは、不動産の所有者を変えるときに行う登記変更手続きのことを言います。

不動産の名義変更であれば、相続の問題だけでなく、購入したり贈与、結婚したりするなどさまざまなケースが該当します。

この手続きを正しくしないことには、将来トラブルを抱えてしまうことも予測することができます。

相続登記と名義変更をほぼ同じようなものとして理解している方々もいるようです。

おおかた間違っているというわけでもないのですが、

相続登記の場合、お父様や亡くなった方の財産を法律的に継承するために存在する手続だということができます。

一方で名義変更であれば、不動産の所有者を変更しなければならないいろいろな状況に対応します。

そもそも相続登記や名義変更してない空き家は解体することができない?

相続登記や名義変更がされていない空き家は業者に依頼して解体することができないと思っている方々も多いようですが。

実際問題そうではなく相続登記や名義変更をする以前のものであっても解体工事は行うことができます。

前提として、解体を行う人と、相続人は一緒である必要はないのです。

しかし、みなさんが注意しなければならないポイントもあるためこちらをおさえておきましょう。

解体する前に相続人の名義が誰かを正確に確認する

特に、祖父母名義や親名義の空き家を解体しようと思うとき、頻繁に起こりうる問題です。

それは相続人の名義が想定していた人物ではなかった……というケースです。

お母さんとお父さんが住んでいた家だったから

母親が以前、使用していたから……

そのような背景から当たり前に空き家の名義は、「親」だと決めつけている方々もいることでしょう。

しかし、そのような方々が実際にふたを開ければ、親のものではなく、祖父母名義の空き家だった……という事態に遭遇することがあります。

このような場合、相続の権利が複数になり難しい問題が起きてしまうかもしれません。

相続の権利が複数人存在しているとわかれば、手続きであったり、協議が複雑化し面倒くさいことになってしまうでしょう。

そのようなことがあるため、家族の方が所有している空き家の解体を考えているのであれば、まずは解体する前に相続人の名義が誰かを正確に確認する必要性があります。

相続登記や名義変更前の空き家を解体する流れ

相続登記や名義変更する以前の空き家を解体工事するときであっても、基本、工事の流れは通常の工事と変わる訳ではありません。

まずしなければならないのは、相続人が誰であるか正しく把握し、複数人いる場合は全員の方々の同意を得ることです。

相続登記する前でも解体工事は可能は可能なのですが、ただし、建物滅失登記を行うことができるのは相続人の方だけです。

※建物滅失登記 建物が取り壊す場合その事実を登記簿に反映させるための手続き

ですから相続人が誰であるか正しく把握し、複数人であればみなさんの同意を得て解体工事に入るようにしましょう。

相続登記の義務化が決定したのはどうして?

2021年3月5日には、不動産登記法などの改正案が閣議決定されています。このことによって相続登記が義務化されることになりました。義務化……ということは、みなさんが相続の登記をしなかった場合、過料に処され罰則を受ける可能性があるということです。

それでは、どうしてこの場に及んで相続登記の義務化が行われることになったのでしょうか。

その理由は、全国規模で所有者がわからない土地が急激に増加しているからです。

所有者がわからない土地が急激に増加している

平成28年度の国土交通省の地籍調査では、日本全土の土地で、おおかた20%のものが不動産登記簿を確認しても所有者がわからない事態だという結果があります。

所有者がわからない空き家や土地は、公共事業を行うときであったり、災害復旧のため工事するときなどに大きな障壁となってしまいます。

そして、日本において急激に高齢化が進行する状況を考えれば、このままでは、所有者不明の空き家・土地がどんどん増え続けていくことが大きな懸念材料です。

以前は相続登記しなくてもよかった……

所有者がわからない空き家や土地がどうして増えてしまったのか、それは以前相続登記することが義務ではなく、しなくても別に問題がなかったことをあげることができます。

相続登記をするためには登録免許税を支払いする必要がありますし、弁護士へお願いすれば数万円単位の費用が発生します。さらに相続人みなさんの同意を得る必要であったり、面倒な手続きも必要です。

価値がそうとう存在する土地であれば相続登記せずに放置されることは少ないのですが、価値が低いと思われているような土地などは、相続登記をしないでそのまま放置してしまうことも少なくありません。

しかし所有者不明のままでは売買ができない……

所有者不明の状態では、土地の売買ができません。

その土地を有効活用したいと思っても、所有者がわからない状態では、土地を買うことができません。購入するにはこの所有者を探す必要がありますが、探すのになかなか手間や費用がかかることがあります。

所有者不明の空き家は管理されず放置されてしまう

所有者がわからない空き家であれば、管理もされずそのまま放置されてしまうことも多いです。その土地だけの問題ではなく、近隣の土地などにも悪影響を及ぼしてしまうでしょう。

相続登記をしないで放置していれば、数次相続(相続の手続が完了する前に、次の相続が発生してしまうこと)が発生し、相続人の中に見たこともない人物が出てくることも起こりうることです。

相続人の中に超疎遠の方がいれば、そうとう手続きが長期化してしまうでしょう。

お父さんが亡くなった直後、相続登記を行えば、相続人は、たとえば「母」、「長男」、「次男」、「長女」となり、ごく実親子であるため相続手続きは比較的簡単だと思うでしょう。

しかし、相続登記を行っていないまま状態で、次男が亡くなってしまえば、「次男の妻」であったり、「次男の長男」「次男」も相続人の対象となります。このような事態の場合、次男側のファミリーとはごく疎遠のケースも多くあり、それだけ手続きが難航します。

まとめ

名義変更、相続登記する以前の空き家でも解体しようと思えばすることができます。解体を行う人と、相続人は一緒である必要はありません。

ただし、空き家の所有者が誰であるのかあらかじめ確認しておくことはとても大事です。

世の中は、みなさんが想像している以上に、所有者がわからない空き家に満ち満ちているのです。そのような問題を改善するために法律も改正されています。

相続登記されないことによって、誰の空き家だかわからない状態になり、管理もされないで危険な物件になってしまうのです。

空き家の負のループを断ち切るために、ひとりひとりが今後、相続登記としっかり向き合う必要があります。

解体アスベスト相談窓口は、相続登記に対しての適切なアドバイスを行うとともに、空き家の解体工事について気軽に相談することができる問い合わせフォームです。

ぜひ一度ご訪問ください。

 

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