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それでも空き家を解体できない理由とは
空き家
解体
空き家をそのまま放置し続けることには様々なデメリットがあります。
空き家は、適切に管理が行われていないと劣化がより以上進行し、どんどん資産価値が低下してしまうでしょう。
それだけでなく、「特定空き家」に指定され、過料(50万円以下)の支払いを余儀なくされる可能性もあります。地震や台風で、空き家が倒壊すれば、近隣に被害を及ぼし、多額の賠償を請求されるかもしれません。
また、雑草が伸び放題で景観が悪化し近隣からクレームが来たり、不法投棄される可能性も高まり、犯罪の温床になるリスクもあります。
目次
それでも空き家を解体できない理由とは
そのまま放置され続けている老朽化した空き家をすんなり解体できればいいのですが、事態はそれ程簡単ではなく様々な問題をはらんでいます。
解体工事にはお金がかかる
そもそも空き家を解体しようと思えば、お金がかかります。それは決して安い額ではありませんし。
解体工事をする費用相場は、立地条件などによって違って来ますが、おおかた以下のような感じです。
- 木造 :3~5万円/坪
- 鉄骨造:5~7万円/坪
- RC(鉄筋コンクリート)造:6~8万円/坪
30坪の建物の解体相場であれば、
- 木造住宅:90〜150万円
- 鉄骨造 :150~210万円
- RC(鉄筋コンクリート)造:180〜240万円
の額になります。
こんなにも高額であれば、なかなかすぐに行動に移すことができる方々もいないのではないでしょうか。
空き家の解体工事では、砂ぼこりなどを飛散防止したり、防音対策を行ったり、廃材や家具を廃棄するのにも追加のお金がかかる場合があります。
解体すれば固定資産税が跳ね上がる
空き家を解体工事すれば、軽減措置がなくなってしまうため固定資産税が跳ね上がってしまいます。
「小規模住宅用地」とは、200㎡以下の住宅用地のことを言います。小規模住宅用地であれば、固定資産税は1/6に、都市計画税は1/3の額に軽減されます。
また、「一般住宅用地」とは、小規模住宅用地以外の住宅用地のことです。一般住宅用地であれば、固定資産税は1/3、都市計画税は2/3の額に軽減されます。
空き家を解体し更地にすれば、これら軽減措置を受けることができなくなり、固定資産税・都市計画税の満額を支払うことになります。
空き家を解体して更地にすれば……、一般的には固定資産税が6倍になるとも言われています!
再建築が認められないことがある
老朽化した空き家の場合、解体した後再度建築しようと思っても出来ないことがあります。
たとえば、建築基準法での接道義務が満たされていない場合です。
建築基準法を確認すれば、建物を建築する場合、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないという接道義務のルールが現存します。
おおかた昭和25年11月以前に建った古い空き家を建て替えようと思ったときには、以前の建築時は存在していなかった接道義務に従わなければなりません。
充分な道路幅を確保できない……という場合には、再建築ができないため、「それでは解体できない……」という方々もいらっしゃることでしょう。
空き家を解体しても売れない……
空き家を解体して更地にしたほうが、早く買い手が見つかると考える方々もいらっしゃるかもしれません。
確かに、住むことができないような老朽化した空き家が建っているのであれば、さっさと更地にした方が手っ取り早く売れる可能性もない訳ではありません。
それは、買い手側がいちいち空き家を解体する必要がないためです。
ただし、安易なモチベーションで空き家を解体してしまっても、既にお話ししている解体費用が~数百万円かかり、実際問題、更地にしたとて売れる保証など存在しないのです。
もしもスムーズに売ることができなければ、解体費用はまるごと自己負担の赤字ですし。
そのような不安もあるため、老朽化した空き家は解体しないで「古家付き土地」として売り出した方がいいと考える方々も少なくありません。
また、立地条件が良くなければ買い手はなかなかつきません……。よって、跳ね上がった固定資産税をいつまでも支払い続けることになります。
都会の場合、最寄り駅や、公共施設やお店が集中する中心地まで徒歩でそうとう時間を要したり。
地方の場合、最寄りのICや公共施設、店舗のある中心地までクルマでそうとう時間がかかる場合です。
それでも空き家を解体するメリットがある
しかし、空き家を解体し、更地にしてから土地を売りだすのには、以下のようなメリットがあります。こちらも確認しておきましょう。
土地を探している人に売却しやすい
老朽化した空き家を解体し、更地にして売りに出せば、新居を建てる土地を探している方々に売却しやすいメリットがあります。
新居を建てる土地を探している方々の場合、当然のことですが、余計な建築物が建っていない更地を求めているからです。
駅やスーパーが徒歩圏内にある……など、立地がいいのであれば、更地化することで売却できる可能性を高めることができるでしょう。
地中埋設物の内容をチェックしやすい
地中埋設物とは、古い建材や瓦礫などと言った地面の中に埋まっている残物のことです。
解体すれば建物がなくなるので、地中埋設物の内容をチェックしやすいメリットがあります。
地中埋設物が見つかれば、マイホームを建てるとき、いちいち撤去する必要があり、スケジュールが狂ってしまうことがあります。
(※土地を売却した後に契約書に記載されていない地中埋設物が発見されれば、売り手側は買い手から「契約不適合責任」を問われ、損害賠償請求であったり、契約解除を要求されることがあります。)
地中埋設物のチェックは、土地を掘り返さなければならないため古家付き土地では、空き家が建っている箇所に対して行うことができません。
しかし、スッキリ更地化してあれば土地全体をチェックできます。
ですから、売却した後に地中埋設物が見つかって、契約不適合責任に問われるということもありません。
建物の維持管理費が必要なくなる
空き家を更地にすれば、建物の維持管理が必要なくなることも大きなメリットです。
こちらも老朽化した空き家のまま売却すれば、雨漏りやシロアリ被害などの問題が発覚し、契約不適合責任負う必要が出てくるかもしれません……。
とにかく古い空き家は想定外のリスクが潜んでいることもあるため、更地化することでリスクを最小限にとどめることができます。
そして、空き家の所有者の方々は空き家の維持管理から解放され、すっきりした気持ちで売却手続きを進めることができるでしょう。
空き家の解体はよく検討することが大事

実際には、空き家は解体しない方がいいケースがない訳ではありません。
ですから、何が何でも「即解体しましょう」という業者がいれば、おすすめできる業者とはどうしても言うことができません。
ただし、空き家は解体した方がいいケースもたくさんあります。
そのあたりの見極めが大事なのであって、ある程度のノウハウを持ち合わせていないとどうしても判断を誤ってしまうことがあります。
そんなにすぐに空き家が老朽化してしまうということでもありませんし、じっくり時間をかけて検討するといいでしょう。
まとめ
自分自身は大丈夫という考えを持っていたとしても、「特定空き家」に指定されて、解体を余儀なくされることもあります。
そのためにも空き家をしっかり管理して、老化を遅らせることも大事です。
何がなんでも空き家を解体しなければならないという訳ではありません。
ただし、一気に解体してしまった方がいい場合もあります。
そのあたりの判断を多くの方々が迷っているため、大事なのは、正しい知識をもっている専門家に一度意見を聞くことです!
解体アスベスト相談窓口は、空き家問題に対しての適切なアドバイスを行うとともに、解体工事について気軽に相談することができる問い合わせフォームです。
ぜひ一度ご訪問ください。