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アスベストの事前調査を怠ればすぐにバレる! 法整備の厳格化
アスベスト
空き家
解体
アスベストの法規制について言えば、年々強化され続けている現状です。
ただし、実際問題、空き家の解体工事を行っている中には、そこまで法規制が厳格化されている実感がない……と思っている業者もいるようです。
アスベストが使われている空き家の解体しなければならない総数は、これから絶頂を迎えます。
国土交通省での推計を確認すれば、吹付けアスベストなどを含んだ建築材料を使っている疑いのある鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築物の解体件数は2028年あたりでピークに到達するとされ、その総数は2009年時点のおおよそ2倍にも達すると報告されています。
そのような背景の中、今まで以上、アスベストに対して厳格な対応が行われようとしています。
目次
【注意】アスベストと適当に向き合う悪徳業者がいる
アスベストは現在、事前調査を経て、解体工事を行うことになるのですが、空き家の解体業者の中には実際に適切ではない作業を行う、いわば悪徳業者もいるのが事実です。
空き家解体業者の適切でない作業とは、たとえば以下のようなことです。
アスベストが不法投棄される……
そもそもアスベストという物質は、発がん性があるため産業廃棄物として適切に処理される必要があります。
しかし、そうするには手間やコストがそうとうかかってしまうため見つからないよう不法に捨ててしまう悪徳業者もいます。
不法に投棄することによって大きな被害を受けるのは空き家の近隣の住民たちです。
「石綿肺」であったり、「中皮腫」「肺がん」……など、かなりの深刻な呼吸器系の疾患が今後発症してしまう可能性があるのです。
ノウハウが存在しない……
アスベストは、有害な物質であるため処分したり運搬するには普段の時よりも費用が発生します。
そうであるのに提示される相場額が大幅に低い空き家の解体業者は、単にアスベスト解体工事のノウハウが欠落している可能性があります。
そもそもノウハウが存在しなければ正しい手順を守れず、いつか発覚し責任を追及されることになります。
また、そのときは適正な費用を支払っていない空き家の所有者も責任を被ることになるでしょう。
近隣住民に迷惑がかかる……
アスベスト解体の時には、周辺の住民の方々に対してもそれなりの配慮が必要になりますが、そんなことは全然関係ない……という解体業者もいます。
そうであれば、近隣住民の方々の抗議によって工事を中断せざるを得ない事態も起こってしまうでしょう。
工事が中断してしまえば、追加費用が発生し発注者の方に負担が来たり、放置されてしまったアスベストによってよけいに健康被害が及ぶことになります。
アスベストがあるかのように見せる業者がいる!
空き家などにアスベスト含有建材が使用されていない……というのに、さも使用されているかのように書類を偽ったり、外部からわざとアスベストを持ち込んだりする悪徳業者も存在するようです。
そのような業者からは、本来の費用以上の高額請求をされてしまうことになるので注意が必要です。
アスベスト事前調査の報告義務は厳しく指導されている
2020年に石綿関連法の改正がはじまて、2021年から順次施行されている現状です。
その中で、2022年4月には事前調査結果の報告義務がはじまっています。
そのことによって、行政が立ち上がり、解体業者へ直接的指導が行われるようになりました。
では実際にどのような指導が現場で行われているのでしょうか。
アスベストありと報告された空き家に対しては、飛散防止対策が充分であるかのチェックがされ、立ち入り調査がされる事例を散見します。
アスベストなしと報告した空き家に対しては、どのような調査方法によってアスベストなしと判断したのか、担当へ聞き取り調査を行い、調査や判断が適切でないと指導された事例もあります。
そして、全然報告をしていない解体業者に対しては、事前調査していないと判断され、厳しく指導されています。
厚労省の「石綿ばく露防止対策の推進について」には、はっきりと報告がされていない解体業者を特定し、積極的に指導することと記載がされています。
適当にやっていれば大丈夫でしょう……と思っている悪徳業者は、しっかりリストアップされ、厳格に指導が行われています。
労働基準監督署は甘くなかった……
労働基準監督署をはじめとする行政は、すでに積極的に活動をスタートさせています。
2022年7月には東京労働局、8月には大阪労働局がアスベストの使用のありなしを調査していなかったとして、送検の事例を公表しています。
このようなことによって、アスベストは適当に扱うことができないと多くの業者が自覚されることでしょう。
2022年12月には、大阪労働局が書類送検を公表した事例もあります。
その事例がどうして発覚したのかといえば、「通報」によるものだったようです。
そうはいうものの、バレるはずない……と思っている業者も、最近はいろいろな事例が通報で発覚しているので、なかなか悪さなど続けられるものではありません。
労働基準監督官には、捜査、逮捕、令状によらない差押え・捜査・検証、令状による差押え・捜査・検証……などの権限が備わっています。また、送検も行うことが可能であるため、ほぼ警察官と同じような権限を持っていると言っていいでしょう。
アスベストに対応できる優良業者を選ぶ
2013年(平成25年)に大気汚染防止法が改定されたことで、現存する悪徳業者に関与すれば、発注者の方々も法的責任を問われることになってしまうかもしれません。
そのようなことにならないためにも、正しい検査を行い、報告を行う優良アスベスト事前調査業者を選ぶことが大事です。
業者が優良であるかどうかは、明瞭な料金、有資格者の在籍、報告書作成実績あたりから確認することができます。
明瞭な料金設定がされている
アスベストに必要となる調査は特殊性が高いので、相場もなかなかわかりにくいのが現状としてあります。ですから最初見積もりした以外に追加料金を請求されてしまうこともあるかもしれません……。
そのような状況下でも明瞭な料金設定を提供してくれる業者は優良業者だと考えることができます。
資格を確認する
アスベスト事前調査を依頼しようと思っている業者は、資格取得をしているでしょうか。
そもそも資格が存在せず、ノウハウを持ち合わせていなければ、アスベストに対して適切な対応ができるはずはありません。
公的機関の報告書作成の実績を確認する
アスベスト事前調査の報告書は、不備があれば公的機関に受け付けてもらうことができません。
まさに報告実績は適正な調査を業者が行っている証拠であり、実績です。
蓄積された実績をホームページなどで確認すれば、優良業者であるかは一目瞭然です。
まとめ
現在、日本には多くの空き家が存在し、おおかた50%にアスベストが含まれている可能性があると言われています。特に古い建築物にアスベストが含まれている材質が使用されているケースが多く、適切な管理・対策が行わなければ大きなリスクをともないます。
空き家は、放置されることで劣化し、その内部の危険物質が周辺に拡散することも懸念しなければならない問題です。空き家を解体するときには、具体的にアスベストの調査を行って、安全面が確保されたうえで作業を進めなければなりません。
しかし、アスベストについてのノウハウが不足していれば、空き家を解体する際に適切な対策がなされず、アスベストを吸い込む危険もぐんと高まり、作業スタッフや住民の方々に深刻な健康被害がもたらされるリスクがあります。
いま何よりも優先しなければならないのは適切なアスベスト対策です。依頼する方々もどの業者を選ぶのか責任をしっかり持つ必要があります。
解体アスベスト相談窓口は、アスベスト問題に対しての適切なアドバイスを行うとともに、解体工事について気軽に相談することができる問い合わせフォームです。
まずは、こちらに「聞く」ことからはじめてみるといいでしょう!