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空き家は放置すればますます老朽化する 解体費用が払えない…… 補助金&更地渡しで解決!
空き家
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空き家を放置することで、人が住んでいるとき以上に老朽化が進行します。
そのまま放置され続けるのであれば、そろそろ解体工事を検討するときではないでしょうか。
しかし、空き家を解体するのにもそうとう費用がかかるため、躊躇している方々も多いようです。
そこで利用して欲しいのが「補助金制度」や「更地渡し」です。
今回は、そのあたりのことについてお話しします!
目次
空き家を放置し続けると急速に老朽化する!

放置された空き家は定期的に管理されている空き家と比較して、急速に老朽化が進行します。
管理されている空き家であれば、空き家の劣化を早めに気づくことができますし、そのとき修繕もするでしょうから、老朽化の速度はそれだけで遅らせることができます。
放置されたままの空き家であれば、建物の劣化にも気づきませんし、修繕も行われないため、老朽化はただただ進行するだけです。
例えばですが、空き家が放置されたままであれば、お部屋の換気も行われないため湿気がこもってしまいカビが繁殖したり、シロアリ被害が起こり柱などが全滅してしまうでしょう。
また、ネズミが天井裏に侵入し、糞尿被害で天井板が一気に劣化するケースも散見します。
換気が行われない……

建物の内部の空気を入れ替えるタイミングを失ってしまえば、中の空気を循環させることができなくなり、湿気はこもりカビが発生します。それだけで木によって作られている場所の劣化は確実に進行します。
つまり、空き家をいい状態で維持するためには、定期的に換気したり、掃除などが必要不可欠なのです。
空き家の老朽化で損害賠償を請求されるかも
空き家をそのまま放置すれば、急速に老朽化が進行し、建物が倒壊してしまう恐れも否定できません。
もしも。空き家が倒壊し……、隣のお家を全壊させてしまえば、1500万円あたりもの損害賠償が、人が亡くなってしまえば2億もの損害賠償が発生する可能性があります。
そんな高額の損害賠償を請求されてしまえば、もうみなさんは今まで通りの生活を送ることなんてできなくなってしまうでしょう。
空き家を解体するのに補助金をもらえる?
空き家の解体工事に対して、補助金や、助成金制度を提供している自治体もあります。
このような制度自体、老朽化した物件による事故や火災が起きたり、不法投棄されるリスクを軽減させ、地域の安全、景観を維持することを目的としています。
空き家が著しく傷んでしまっていたり、崩壊の危険がある場合、特定空家に該当すると見なされ、補助金が支給される対象になりやすくなるでしょう。
ただし、補助金の額は、全国一律ではありません。おおかたは解体費用の5分の1程度から2分の1程度を上限とする自治体が多いようです。
例えば、空き家の解体費用が200万円程度かかる場合、補助金は40万円~100万円程度受けられる可能性があります。
具体的な補助金の額であったり、申請する条件はそれぞれ自治体ごとで違うため、あらかじめ空き家が存在している自治体の担当窓口で補助金制度の内容を確認するといいでしょう。
おおかた補助金は、耐震性が不足している空き家に対して、耐震診断を行ったうえで必要性が判断されれば、解体工事の費用を一部負担してもらうことができます。
一定の築年数を超えた家屋が対象であり、条件に当てはまるかの確認も必要。さらに、幅員4m未満の狭い道路に面した古い木造の空き家に対しては、(※地域によります)「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」という補助制度が設けられていることもあります。
例えば、大阪市で行われている「密集住宅市街地整備のための補助制度」では、古い木造家屋で、狭あい道路の対策地区にあれば、空き家の解体費用の2分の1以内、&限度額75万円の補助を受けることができます。また、重点対策地区であれば、解体工事費用の3分の2以内、限度額100万円までを受けることができます。
この制度は、防災性を向上することであったり、街並み整備を目的とし、対象物件の築年数であったり、接道状況、エリア区分などに応じて適用されています。
以下は、それぞれ自治体の具体的補助金の額です。参考にしてください。
自治体 | 金額 | 上限 |
大分県大分市 | 補助対象経費の5分の4以内or市の定める額のどちらか小さい方を補助 | 160万円 |
群馬県高崎市 | 解体費用の5分の4を補助 | 100万円 |
愛知県名古屋市 | 解体費用の2分の1を補助 | 100万円 |
兵庫県神戸市 | 解体費用or補助対象標準額低い方3分の1を補助 | 60万円 |
東京都足立区 | 解体費用の2分の1を補助 | 木造50万円 非木造100万円 |
北海道札幌市 | 解体費用の3分の1を補助 | 50万円 |
埼玉県行田市 | 解体費用の2分の1を補助 | 50万円 |
和歌山県和歌山市 | 解体費用の3分の2を補助 | 50万円 |
佐賀県みやき町 | 補助対象経費の2分の1を補助 | 50万円 |
空き家を売却益で解体する
売却が前提となる方法ですが、お金の不安があれば売却益を解体費用に充てる方法も検討することができます。
解体しないで空き家のまま売却することができればいいですが、著しく老朽化していたり、築年数が古かったりすれば、解体しなければ売ることができない可能性が出てきます。
そのとき、売買契約をした後、引き渡しをする以前に解体工事を行う「更地渡し」を選べば、売却した利益を解体費用として充てることができます。
買主が見つかりやすくなる
更地渡しで売却すれば、土地の買主が見つかりやすくなるメリットがあります。
更地渡しする約束で売りに出ている古家付き土地であれば、買主にとってはこのような利点があります。
・ 解体費用を負担しなくていい
・引き渡し前に土地の状態を知ることができる
現況渡しであれば、買主の方は解体費用を負担する必要が出てきますし、費用の見積もりなども買主側でしなければならないため手間もかかってしまうでしょう。
また、空き家を取り壊して更地にしてみるまで土地の状態はわかりにくい……という問題もあります。
更地渡しの方法を選択すれば、売主側で建物を解体し、更地化する過程で土地の状態を知ることができ、トラブルを軽減することができます。
このようなことからも更地渡しは現況渡しと比較して、流通性が高くなる可能性がある売却だと考えることができます。
売却中に固定資産税が上がらない
空き家を更地渡しの約束で売却する方法であれば、売主の方々にとって売却活動をしている最中に固定資産税や都市計画税がアップしない利点があります。
空き家が建っている土地には、固定資産税であったり、都市計画税が減額される特例措置が適用されています。
しかし、その土地に建っている空き家を取り壊せば、特例措置は適用されなくなってしまい、固定資産税や都市計画税の税額がぐんと高くなります。
固定資産税の課税対象は毎年1月1日で決定し、空き家を解体して更地の状態で年を跨げば、固定資産税の税額は最大で6倍にもなってしまうのです。
ただし、更地渡しの取り決めをすれば、土地を売りに出し年を跨いだとしても、空き家は依然残ったままであるため固定資産税額を抑えた売却が可能です。
工事費用は売却時の経費にすることができる
売却した後に支払う税金を計算すれば、解体工事にかかる費用を経費に計上できることもメリットです。
売却した後に支払いしなければならない税金は、以下のような式で求められる「譲渡所得」に税率をかけ合わせます。
譲渡所得=売却価格-(譲渡費用+取得費)-特別控除額
譲渡所得税=譲渡所得×税率
つまり、譲渡所得の額が小さいほど売却した後に支払う税金の額を安くすることができます。
引き渡し前にされる解体工事の費用は、譲渡費用に含めることができます。
実際問題、解体工事費用の負担はあるのですが、売却し譲渡所得がある場合には節税につなげることができます。
更地渡しにはデメリットもある?
そもそも更地渡しには法的な定義がある訳ではありません。
それは、売主側と買主側の間の取り決めに基づいて契約がかわされるからです。
ですから、事前に行われる取り決めに曖昧な部分があれば、想定外のトラブルに発展する可能性もあります。
たとえば、売主の方が隣地との境界にあるモノだからというあくまでも自己の判断でブロック塀を全部残したままで引き渡しすれば、当然撤去した状態で引き渡してくれるだろう……思っていた買主側と衝突してしまうことでしょう。
そのようなトラブルを阻止するためには、塀だけの問題ではなく、庭木であったり、庭石……など土地に存在するモノ全部に対して、何を残し、何を撤去するのか具体的に取り決めることが大事です。
さらに、「更地」で引き渡すのか、「整地」まで行って引き渡すのかも売主側と買主側で誤解が生まれやすいため、必ず確認しなければならないポイントです。
まとめ

空き家を放置し続ければ、住んでいるとき以上に老朽化が進行します。
呑気な気持ちでいれば、高額な賠償金が請求されてしまうかもしれません。
そろそろ空き家を解体するころかも。その見極めはとても大事です。
一方で、解体したいけどお金がない……という方々も多くいらっしゃるでしょう。
そのような方々のモチベーションをあげるためにも存在しているのが補助金です。全額を受けることができる訳ではありませんが、有効的に利用したいです。
また、更地渡しという方法も、上手く利用してみてはいかがでしょうか。
解体アスベスト相談窓口は、空き家問題に対しての適切なアドバイスを行うとともに、解体工事について気軽に相談することができる問い合わせフォームです。ぜひ一度問い合わせください。